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冬目景さんの『黒鉄・改』5巻(最終巻)を読んだ感想

みなさんご機嫌いかがでしょうか。今日は本日発売された冬目景さんの『黒鉄・改』5巻(最終巻)を読んだ感想についてお伝えします。

皆様に冬目景さんの最新巻を是非購入して手にとって読んでいただきたいと考えておりますので、作品の直接的なネタバレやセリフへの言及は避けるようにいたします。

Contents

沙村広明さんの『無限の住人』不死実験編を彷彿とさせた

囚われた迅鉄のくだりは絵柄も相まって沙村広明さんの『無限の住人』不死実験編を彷彿とさせましたし、時代背景や言葉遣いなども当時に即したものでその点はとても本格的だなと思いました。

アクション描写は少し盛り上がりにかける

冬目景さんもあまりアクション描写には思い入れがないようでしたが、やはり『無限の住人』のようなアクション描写を期待してしまうとちょっとそれは違うのかなと思います。躍動感や生々しさはそれほど感じられませんでしたので、多分本人がかなり優しい方かつ王道のエンタメを好まない方なのかなって気がしましたね。

黒鉄のアクションで身体欠損になったり死人が出る描写より、亡き人を思い続ける榀子先生の方がよっぽど生々しくかつ重く感じましたからね。そういうえぐさはないのでとても読みやすく感じました。

高橋留美子さんのような終わりなき日常的な漫画を書けばより人気が出ると思うけど本人はそれを望んでいないのかも

高橋留美子さんの『うる星やつら』、『らんま1/2』のような終わりなき日常がずっと続いていく作品を冬目景さんも描き続ければ、たとえば冬目景さんの作品だと『Acony』、『イエスタデイをうたって』の5巻までの内容をずっと継続していくような感じなら人気は出ると思うけど、おそらく本人の性格的にそういった継続にマンネリ化を感じてしまうのかもしれません。

黒鉄も場合によっては渡世人放浪記的な?永遠に旅を続ける内容にもなっただけにそういった作品にあえてしなかったっていうことが、マンネリという妥協を許さない(あるいは飽きっぽい)作者の性格というのが本作でも顕著に現れているのかもしれませんね。

80年代米国のカルトホラーチックな作品描いてほしい

途中で出てきたゾンビっぽい人たちはとても可愛かったので80年代米国のちょっとチープなカルトホラーチックな作品を次作は描いてほしいですね。それであれば画風ともマッチしていると思いますし、それほど長く続ける必要もないのかもしれません。

80年代よりは若干前の作品になりますが、ナイト・オブ・ザ・リビングデッドとか冬目景さん好きでしょうね。

終わり方はとてもきれいでよくまとまっていた

詳しく書くとネタバレになってしまうのでここでは書きませんが、終わり方はとてもきれいでよくまとまっていました。余韻と叙情の感じさせるすばらしい作品ですので皆さんも是非お買い求めください。

 

というわけで今日はこんな感じです!

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