在野について考えてみた。~在野的権威主義に陥らないために~

 

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私の好きな学者に小室直樹という方がいます。彼は経済学、法社会学、数学、政治学などの学問をその第一人者から学びました。また、専門用語を使いがちで難解な学問を一般向けに分かりやすくつたえる著書を何冊も書き、ベストセラーになったことでも有名です。現在でいうところのいわゆるサイエンスファシリテーターといったところでしょうか。

彼は学際的な研究を学んでいて通常の教授になるべき(ずっとその専門を学び続けるという)ルートから外れていたことや、人間関係の軋轢という理由から才能は人一倍あるにも関わらず、教授職につくこともありませんでした。

それでも、自らが講師をつとめる自主ゼミを開講し、その門下生として多くの社会学者や哲学者を輩出していますし、彼自身も大学における政治競争に関わらなくてもよく、自身の研究に没頭していればよかったことから、充実した生活を送ることができたのではないかと思います。

一方、在野ときくと、「反骨精神」や「権力への監視」ということが挙げられるかと思います。ジャーナリストが良く使う言葉でしょうか。ただ、この言葉ですごく胡散臭いと思うのが、反骨精神や権力の監視を行っているという自己満足臭が強く、いわゆる何様のつもりでいってるんだっていう不信感を抱かざるを得ません。

その体制を批判する方法そのものが、体制側より権威主義的な色彩を帯びていることが往々にしてあります。たとえば、民主党(現民進党)の政権末期なんてその一例で、当初の理念とは別の、自民党より、より権威主義的かつ体制的な政権になってしまいました。これが、今に至る民主党の低迷につながっていると思います。

こうした例を鑑みるに、在野でいることそのものに価値を感じ、(権力の監視的な)悦に入るのではなく、自分の好きな事を推し進めた結果、たまたま社会常識には受け入れられなかったけど、それでも自分は満足かつ充実した生活を送れたっていえる人生の方がいいのではないでしょうか。

日本教の社会学
小室 直樹
ビジネス社
2016-11-25



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