みなさんご機嫌いかがでしょうか。今日は一日中書類書きつつ、以前から気になっていた『ダルちゃん』を購入して読んでみましたのでその感想を書けたらと思います。
まずは簡単に『ダルちゃん』について紹介します!
Contents
『ダルちゃん』とは?
作品のテーマ:他者との和⇔自身の興味との葛藤
全話見た感想としてはテーマ性が明確だなと。まず、小さい頃から人とは違ったダルちゃんが世の中に合わせるよう擬態しているように、他者との和⇔自身の興味との葛藤をメインにしつつ、世の中からちょっと外れている似た者同士引き付けられていくっていう演出がよかったです。ヒロセ君が足を引きずっている描写、職場のサトウさんがダメンズに何度も引っかかっている描写は(周囲の人も少し世間から外れていることを印象付けるために)作者のはるな檸檬さんが意図的に作り上げたものでしょう。
ダルちゃんはおそらく病気ではない
インターネットではダルちゃんは病気というように揶揄されているのですが、ダルちゃんの人とは違うっていうのは、病名がつくようなものではなくて、ただ単に打たれ弱かったり自己肯定感が人より低かったりとか周りにあわせなきゃっていう観念にかられたりっていうものだと思うので割かし誰にでもあてはまる節があるのではないでしょうか。
そのあたりの誰しもがふと思ってしまう、(意図せずに)傾奇者として生きなければならない葛藤、あるある的な関係性の機微、というのが作品の中にうまく散りばめられていて個人的にはとても好きですね。
三島由紀夫の『宴のあと』を彷彿とさせる
ダルちゃんとヒロセ君の方向性の不一致、つまり、創作のためにプライベートをさらけ出すこと⇔プライベートに干渉されることへの忌避は、三島由紀夫の『宴のあと』とそれを巡る一連の騒動をなんとなく彷彿とさせるものがありましたので、このあたりのプライベート(あるいはプライバシー)感の相違ってのもけっこう新しめかつ文学的なテーマ性をもつものなのかなとふと思いました。(ちなみに『宴のあと』騒動は日本で初めてプライバシー権について争われた事件で一審で三島由紀夫が敗訴しています。その後原告が他界し三島由紀夫は遺族と和解しました。)
時代を反映した設定がリアル
それと時代をうまく反映していて、ダルちゃんが派遣社員という設定もリアルでした。漫画の後半でダルちゃんが派遣社員から出版社に転職していましたが、漫画の通りダルちゃんはクリエイティブ系の職場行くと楽しく過ごせそうだなと。定型の仕事をいかにミスなく素早くこなすかっていうよりも多少時間はかかってミスがあったとしても自分の納得するものを作りだす方が割に合ってそうですよね。
周囲になじめない人はクリエイティブ系に行くべし!
銀行とかで一般職として働くとダルちゃんみたいな方は辛そうだけど、現代は職業選択の自由もあるし、個人の意見も発信しやすい時代になっているから、やっぱりクリエイティブ系で楽しくやっていけるんじゃないでしょうか。広告代理店とかも自身のクリエイティブ性を発揮しつつ世の中にインパクト与えるようなことができるのでダルちゃんにあってそうな感じがします。
個人の想いの実現に注力しているのが現代的
あとこれが一番特徴的だなと思ったのは、自己実現の達成手法を社会の改善にも向けず、消費にも向けず、楽しさの追求にも向けず、個人内でとどめているっていうんでしょうか、これが新時代っぽいですね。草食系っぽいトレンドっていうか、なんていうんだろう。まずは自分の手の届くところから始めてそれ以上は求めていないっていうんでしょうか。そういう個人の想いの実現ってことだけを目指していけるのは幸せな時代になったっていう顕れかもしれませんが、このあたりはやっぱり考えさせるものがありますね。
ドラマ化してほしい
世の中の普遍的なテーマを題材にしているので、映像作品としても訴求力があるかなと。
ダルちゃんのはまり役はどんな俳優?
演技派の二階堂ふみさん、能年玲奈さんや吉高由里子さん等がダルちゃんのはまり役かなと思いますので。ちょっぴりサブカル寄りな俳優さんが演じるとよさげですね。
ヒロセ君のはまり役はどんな俳優?
ヒロセ君は星野源さんか、サカナクションの山口一郎さんがはまり役かなと。下北沢あたりに住んでいる設定にしてデートで本多劇場とか行けばいいんじゃないですかね。それでフリッパーズにパンケーキでも食べに行けばいいのかなと。
ということで今日はこんな感じです!