特殊法人に対する風当たりは今後ますます強いものに

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NYから大学に戻ってきました。やはり南部なのでこちらはとても暖かいです。NYで喉の風邪をもらっちゃったので年末年始は寝正月で体を万全にしようかなと。

さて、今日は特殊法人に関する話題です。特殊法人というと聞きなれない方もいらっしゃるかもしれませんので簡単に説明すると、政府が必要な事業を行う場合、その業務が私企業になじむもので、行政では効率的な経営を期待できない場合、特別な法律によって独立した法人を設けるというものです。

似たような法人で独立行政法人というものがあって、特殊法人とまぎわらしいのですが、その違いを簡単に述べたいと思います。独立行政法人は社会的に必要だけれど、市場原理に任せてしまうとなかなか行われない(つまり、儲からない)ような事業を行う法人で、特殊法人は民営の一般企業ですが、事業の公的性質故に政府が経営に介入する法人を指します。(※なお、特殊法人であっても、法人としての自主性は最大限保たれます。)

特殊法人の代表格はNHKですが、NHKは放送法を根拠条文としており、NHKの業務運営については予算の承認や経営委員の任命については、国会による承認を必要としていますが、必ずしも政府の意向を代行していることではなく、報道の自主性は保証されております。その自主性を担保する上での自主財源が受信料になります。(政府から全ての財源をもらっていたら、それこそ国営放送になりますよね。)

ここ数日NHK受信契約の義務規定を最高裁裁判で合憲としたことでNHKの受信料義務化となるのかだいぶ世論が盛り上がっていますね。批判的な意見が多い中で、なぜこのような事態が生じているのか、そして打開策はないか簡単に述べたいと思います。

まず、一つはNHKに対する国民に対するチェック体制が不十分だということです。NHKの業務運営については(建前では、)NHKの自主性に任せられていることから、語弊があるかもしれませんが、NHKが好き勝手にすることができます。国民はあたかも税金のように受信料を徴収される(可能性が今回の判決により、ますます考えられる)にもかかわらず、NHKに対するチェック体制が十分とはいえません。その報道内容や今後の是非について、定期的な国民投票のような制度があってもいいかと思います。

ただ、この国民投票というのはNHKからすると現実的ではないかと。というのも、NHKの受信料義務化に不満を持っている人が多いので、廃止か存続かの国民投票をすればまず廃止になってしまうからです笑 そんなわかりきっていることをはなっからやりたくないですよね。

もう一つは、行政府・立法府との関係が非常にあいまいだということです。いくら建前でNHKは自主性がありますといっても、予算の承認に国会の議決が必要である以上、行政府・立法府との忖度は避けることができないでしょう。そのあたりも既に国民に見透かされています。

このような問題に関する解決策としては、やはりNHKの国営化ではないかと思います。NHKを正式に対外国向けに日本国の利益を代弁する放送とするということです。たとえば、アメリカのvoice of america(英語教材としてもお馴染みですね)は対外向けにアメリカの民主主義的価値観を啓もうするための放送で、特にアメリカと関係のそれほど良くない地域に向けて力を入れて放送しています。

NHKもこのような日本の国益を代弁するような国営放送とすれば、少なくとも行政府・立法府との関係がクリアになり、税金だと割り切って受信料を支払う人が増えてくるのではないでしょうか。ただ、この場合であっても、国民の報道内容に対するチェック体制の強化というのは欠かせないものではなるでしょうが。

ということで、今日はNHKを例に特殊法人について紹介させていただきました。まとめると、特殊法人は行政府・立法府との関係により忖度が起こりがちで、かつ国民のチェック機能がまともに働いていないことから、それらを改めない限り、ますます風当たりは強いものとなっていくでしょう。


個人的にはNHKはかなり面白い放送も多いと思っているので今後いい方向に改革できるといいですね!

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