現実逃避としての海外留学・移住をお薦めしない理由について

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先日も似たような趣旨の記事を書きましたが、今日もその件について少し書きつづりたいと思います。海外留学・移住を検討している方は以下の二種類に分けられるのかなと個人的に考えています。

一つは、留学・移住の目的が自分だけでなく、他者、そして社会を巻き込んでいて一貫性のある人。たとえば、モーリタニアではイナゴの大発生による食料難が生じているので、イナゴの大発生を食い止めるためにその生態を学びにモーリタニアに留学する人。この方は目的が非常に明確ですよね。

他にも、技術立国日本の再興を目指したい、あるいは世界に技術的革新を起こしたいからという理由で、アメリカで世界最先端のエンジニアリングを学びに行く方もいるかもしれません。

海外で医療に接することのできない人たちのために、海外のへき地に移住して付きっ切りで面倒をみているお医者さんもいますよね。

このような人は必ずしも留学・移住がファーストチョイスとしてあったわけでなく、自身の興味・関心を突き詰めた結果として、世の中にインパクトを与えられる最善の策として留学・移住に至ったのかなと思います。

もう一つは、留学・移住の目的が自分だけにとどまっている人です。日本的な現実からの逃避が典型で、たとえば、日本では人間関係がウェットすぎる、飲み会が多すぎる、長期間労働が嫌とかがあげられますね。あるいは就活に失敗して自分探しの途中で、海外に行けば何か変われるのかもしれない、そう思っている方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、日本的雇用慣行は是正すべき点はあると思いますし、実際に日本社会もその方向で働き方改革が進んでいるのでそれは上記の方も仰る通りですが、それだけだとなんだか寂しいなって思っちゃうわけです。海外留学・移住が自己目的化しちゃうと、そういう同胞しか海外にはいないのかなと。

せっかくの人生なんだから、海外に留学、移住するだけでなく、その先に何を見据えるのか、そのあたりが明確になると海外で活躍する日本人ってすごいなっていう風に社会からのとらえ方も変わっていくのではないでしょうか。

後者はこのままだと国際社会がまさに規制しようとする対象に他ならないのではないかという気がしてなりません。(※一部の移民推進国家を除く。)

とはいえ、留学・移住の目的が個人にとどまっていたとしても、それはその個人にとっては人生における大きな選択であり、時と場合によってはその目的をかなえるために手段を選ばずに行動しなければいけないこともわかりますが、それでもやっぱり考えものですよね。。

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)
前野ウルド浩太郎
光文社
2017-05-17



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