アメリカ正規留学はもはや富裕層とアメリカ就職希望者のためのものに

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昨日の朝日新聞でアメリカ留学をする日本人が減っているという記事がありました。簡単にかいつまむと、アメリカ留学をする日本人が12年連続で減少しており、その背景として学費やトランプ政権による治安の悪化が挙げられています。

この記事のうち、とりわけ重要なのはやはり学費など金銭面ではないかと思います。たとえば、アメリカの都市部でそこそこ名の知れた大学にいくと学費・生活費込で年500万はします。大学卒業までの4年で2,000万。このお金を頭金にすれば、世田谷でペンシルハウスを買うことができます。それだけ大きな金額ということです。

現在の日本においてはこれだけのお金を大学進学に払えるのは、私が思いつく限り、共働きの公務員、行員、医者、実業家、投資家、地主、大企業の社員・役員など限られた方しかおらず、いわゆる中流階級(そんな概念はとっくに崩壊してるけど)にとっては、高嶺の花といったところでしょうか。

日本経済悪化のあおりをうけて、上記富裕層が減っているからこそ、アメリカ留学数も減っていると思います。

ここで注意したいのはアメリカ経済はインフレが進んでいるので、学費・生活費ともに年を経るにつれ、ますます高騰することが予想されることです。一方、日本の実質賃金はほぼ横ばいかやや下降気味なので、今後ますます正規留学の可能性は失われていくでしょう。

ちょっと話はそれますが、企業や公費(主に旧国1や独法・特殊法人を中心に)での派遣留学もあることにはありますが、ステップアップしての転職という例が後をたたなかったこともあり、現在は縮小ぎみです。(あったとしても留学後数年間はその会社で勤務することを義務付け、さもなければ返還しなければなりません)。そりゃ留学のために公費で税金使うんなら、国のためになることをしなければいけないし、それが嫌なら留学くらい私費で行けと思いますしね。この流れは当然といえば当然の帰結です。

また、もう一つ重要なアクターとしてアメリカ就職希望者がいます。アメリカに留学して無事卒業できるとoptと呼ばれるお試し就職ビザがもらえるので、それを足掛かりに就労ビザ、そして永住権の獲得を目指す王道ルートを利用する方です。

しかしながら、トランプ政権の発足により、今後の移民政策が厳しくなることはあっても緩和されることがないことから、アメリカ就職希望者も減少することになったのではないかと推測します。

このように、アメリカ留学の主な担い手であった富裕層とアメリカ就職希望者の減少がそのままアメリカ留学者数の減少に反映されているのでしょう。

この不透明な世界情勢を考えると、イチかバチかで留学せず、グローバル企業で出世ルートにのってアメリカ駐在というのが最も手堅いやりかたと皆さん考えているのでしょう。なんだかんだいって駐在は最強です笑

ということで、日本は割と現実に即した選択をしているのだなと思ったまでです。


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